製紙業界向け品質計測用センサ設計技術

概要

当社では、製紙業界向けに2004年から品質管理に関わるセンサソリューションビジネスに取り組み、情報用紙、印刷用紙や家庭紙の仕上げ工程向けに数多くのセンサを開発してきました。これらは主として、レーザやカメラを使用して検査対象物の情報を取得し、それを高度な数理処理を行うものであり、検査員の目視判定代替が可能です。製紙業界では、これまでの開発、適用実績により、製紙業界向け品質センサのサプライヤーの1つとして評価頂き(2014年紙パルプ技術協会佐々木賞受賞)、三十数台の納入実績に繋がっています。


当社が開発した技術の一つとして、以下に製紙工場小判仕上げラインにおける品質計測用センサ配置例と、各装置の検査項目を下に示します。これらの検査装置は、全てカメラ情報を処理する画像処理技術を適用したものです。オンラインで検査を行う『リーム外観検査装置』『包装紙折目検査装置』『ラベル検査装置』及び『ダンボール梱包検査装置』は、いずれも最大140リーム/分に対応可能な処理能力を確保しつつ、それぞれユニークな手法で検査性能の高精度化と安定化を図っています。

小判仕上げライン概略図と当社検査装置
[各装置の検査項目]
装置名 検査項目
リーム外観検査装置 ・検査対象 : 包装前のリーム
・検査項目 : 飛出し・不揃い、折れ込みの検出 紙粉付着量の定量化
包装折目検査装置 ・検査対象 : 防湿紙で包装した後のリーム
・検査項目 : 包装状態の良否(折りの不良、二重折れ、破れ等々)
ラベル検査装置 ・検査対象 : 包装紙に貼付するラベル
・検査項目 : ラベルの有無、貼付位置&向き
段ボール梱包検査装置 ・検査対象 : ダンボール梱包後

・検査項目 : 成形不良・卍折れ、コーナー部のつぶれ、折り不良、 胴張り不良、

       ダンボールの破れ、フラップ面の汚れ、品種違い

オフライン寸法検査測定器 ・検査対象 : 裁断された用紙1枚
・検査項目 : 幅・流れ寸法、菱量、切口のむしれ状態